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終戦80年  溝旗神社に残る戦争の爪痕 ー不屈の狛犬ー

終戦80年  溝旗神社に残る戦争の爪痕

ー不屈の狛犬ー

昭和二十年、岐阜空襲の夜。
境内は焼夷弾の炎に包まれ、本殿をはじめ多くの社殿が焼失しました。
狛犬もまた、すさまじい熱にさらされ、石は焼け割れ、大きなひびが走りました。

長らく本殿裏で鉄線により崩れを支えながら祀られてきましたが、令和に入り修復が行われました。
粉末にした石を、樹脂に混ぜ込んで発熱を利用して固める特殊な技法で接合され、内部には支柱を入れて再び姿を整えました。
片足を失った狛犬は、義足のように支柱が外に伸び、その姿で今も参拝者を迎えています。

もう一方の狛犬は白山小学校の資料室に保存され、地域の戦争の記憶を今に伝えています。

本来、狛犬は「外からの災いを防ぐ門番」として神社を護る存在です。
炎に焼かれ砕けても、人の知恵と工夫と技術によって甦り、いまも役目を果たし続ける姿は、
まさに 「逆境を知恵と工夫で乗り越える不屈の象徴」 といえるでしょう。