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終戦80年  溝旗神社に残る戦争の爪痕 ー焦げたお狐様と鳥居ー

終戦80年  溝旗神社に残る戦争の爪痕

ー焦げたお狐様と鳥居ー

天王坊稲荷神社の鳥居とお狐様は、当時としては珍しいコンクリート製でした。
昭和二十年七月、岐阜空襲の夜。焼夷弾の炎に包まれ、鳥居は焦げ、お狐様も耳を欠き、全身が黒く焦げながらも、境内に立ち続けました。

稲荷信仰においては、狐の色や尾の数によって性格や位を示す伝承があり、黒狐は特に霊力が強く、北斗七星の化身として太平をもたらす存在とされています。
炎を受けて黒へと変わったこの狐も、その象徴ととらえれば、力を高め黒狐へと昇華した姿なのかもしれません。

「火難を吸い取り、人々を守ろうとした狐は、力を高め、黒狐としてこれからも人々を厄災から守り続けてくれる」──。

その姿は、戦火を生き抜いた証であると同時に、
いまを生きる私たちを困難・苦難から護り、平和と平穏を願う “厄除けの黒狐” の象徴なのかもしれません。